
yhojin―――“いほうじん”と読む3人組の音楽は、旅の匂いがする。
気を抜いたら天まで昇ってしまいそうな、あるいはふらっと消えてしまいそうな感覚。「勢いで決めた」というバンド名は、エレクトロやハウスのエッセンスを含んだ彼らの浮遊感漂う音楽とあまりにもマッチしている。
9月24日(火)に渋谷・TOKIO TOKYOにてjean、Khamai Leon、SOMAOTAと共演する『FREE!!! vol,26』の開催に先立ち、今回TOKIO TOKYO Knowledge Shareではyhojinに話を訊いた。
バンド初のインタビューを通じて、まだまだ始まったばかりの3人の旅路を共に見届けて欲しい。
――yhojin初のインタビューということで、まずは結成の経緯から聞かせてください。
**iori(Vo,Syn):**経緯は……なんかあったっけ。結成は2年ぐらい前だよね。
**take(Dr,Sampler):**もともと各々別のバンドやサポートとして活動していて、下北沢のイベントで僕とIoriが意気投合しすぎたんですよ。で、ある程度曲を溜めたいねということでコツコツやっていたら2年が経っていた感じです。
――意気投合のキッカケは何だったんですか?
**take:**趣味が一緒だったとかでもなく、一生喋っているんですね。フィーリングが合って、自然とよく会うようになっていきました。
――バンド名の由来は?
**iori:**単純に“y”始まりで、格好良い響きが良いなと。
**take:**日本っぽい言葉にしたかったんです。響きや意味も含めて、日本オリジナルの感じがあるかなって。
――お送りいただいた「I miss you who went to the moon」は“yhojin”というバンド名ともマッチする夜空に飛んでいくような浮遊感を抱く1曲だと感じています。同作はどういったイメージから制作がスタートしたのでしょう。
**iori:**この曲はバチッとイメージがあって。カップヌードルのCMで使われていた『FREEDOM』と『サイバーパンク:エッジランナーズ』というアニメが好きなので、それをイメージして作りました。どちらのアニメも月が大きなテーマになっているから、月が登場していますね。
――タイアップを作っていくようなイメージだったと。作曲はどういった流れで?
**iori:**歌詞やメロディーの母体は俺が作ることが多いんですけど、みんなアレンジ能力があるので、パートごとに任せたりもしています。
――yumaさんとtakeさんは上がってきた曲に対して、どのようにアプローチしているのでしょうか。
**yuma(Ba,SynBa):**その時ハマっていた音楽や直近で吸収したものを楽曲に加えられるようにしていますし、そのチャレンジが楽しいなと。「I miss you who went to the moon」に関しては、エレクトロのライブをみんなで観ている時期だったので、それがダイレクトに反映されていると思います。
**take:**3人で集まってお勧めの音楽を教え合ったり、一緒にライブを観ているのが大きいかな。ドラムで言うと、人力のドラムも混ぜつつ、ハウスやテクノのマナーみたいなドラムにすることを意識していて。音源だと808(ローランドのリズムマシーン)をはじめ、分かりやすい音を混ぜて聴き馴染みが良いようにするんですけど、ライブは良い意味で生の感じにしたい。

***――***ドラムプレーについて、ライブで生の質感を出したいという話もありましたが、バンド全体を通じてその点は一貫しているんですか?
**iori:**そうですね。ライブの時は、自分たちがきちんと乗れる感じを意識していますし、そのノリが前面に出ている演奏だと思います。
――エレクトロのムードをそのままライブに落とし込むのではなく、よりフィジカルな形式にしているのはどういった理由から?
**iori:**格好良いっていうのが、ただ一つの理由かな。
**take:**確かに格好良いからではありますけど、エレクトロは人がいない分無機質だと思うんですよ。息をしていない音楽だけど格好良いし、踊れる。それをわざわざ息をしている人間がプレーすることで、血が通ったものにしたいんですよね。
――既に熱量が詰まった音楽ジャンルからスタートさせるわけではなく、音源としてエレクトロを選んだ上で、肉体的な演奏をしているのはなぜなのでしょう。
**iori:**初めにリリースした「Coco」はインディーロックっぽい曲なんですけど、そこから「Fly’n Cry」を発表するまでに1年ぐらい期間が空いていて。その間にジャスティスが新譜を出す(2024年4月リリース『Hyperdrama』)というニュースを耳にしたんですよ。その話題が頭の中にあって、聴く曲もエレクトロが増えていった。なおかつ、最初に話したようなサイバーパンク的なアニメにハマって。自分の住んでいる東京のディストピア感がアニメとリンクして、東京にマッチする曲を作りたくなったんです。だから、自分の中のモードが自然とエレクトロの方向にシフトしていった感覚ですね。
――バンド名やエレクトロなサウンド感、遠い場所と交信するかのようなリリックなどを含め、「今いる場所ではない、どこかへ行きたい」といったメッセージを感じました。
**iori:**やっている音楽は全く違うんですけど、前のバンドもそういった雰囲気だったんです。「どこか違うところを旅したい」という思いは多分ずっとあって。俺はリリックで何かを言いたいわけではなく、ほとんどの歌詞を自分が見た夢からの引用で書いているんですよ。だから、自分でも何を言っているのか理解できない部分もあるんですけど、書いている時に情景は浮かんでいる。意味は分からないけれどなぜか浮かんでくるその景色を一緒に見て欲しいから、音楽をやっているのかな。
yuma: Ioriはそういった風景を共有してくれるので、曲を作る時はそれをどのように落とし込んでいくかを考えています。
**take:**3人とも直感が強いんで、いきなり出てきたものをアレンジとして使うこともありますね。そのファーストインプレッションを理論的に補強しているイメージです。
――9月24日(火)に渋谷・TOKIO TOKYOにて『FREE!!! vol,26』が開催されます。出演を決めていただけた理由からお聞かせください。
**take:**俺はTOKIO TOKYOでスタッフとしても働いているので、家に帰るようなものというか。ようやく呼んでもらえたなと。これまでTOKIO TOKYOに出演した時はサポートメンバーだったので、自分の看板を掲げて出演するのは久しぶりだし、この3人でやっと演奏できるのが嬉しいです。あと、PAの翔吾のプレースタイルとyhojinの音楽は合うと思っていて、TOKIO TOKYOでのyhojinの演奏は最強なんじゃないかな。対バンも最高ですし、純粋にホームでできることが最高です。

――「対バンも最高」というお話もいただきましたが、9月24日(火)はjean、Khamai Leon、SOMAOTAと共演になります。3組に対する印象を教えてください。
**take:**この前SOMAOTAのライブを観る機会があったんですけど、めちゃくちゃ格好良くて。レイヴっぽい空気感も含めて、yhojinと親和性もあると思ったんで、良いイベントになると感じています。
**iori:**もちろん対バンも楽しみですけど、メンバーぐらいの感覚でいるPAの翔吾が、ホームで俺たちのバンドをどのように鳴らしてくれるのかに期待していますね。
――改めて、9月24日(火)『FREE!!! vol,26』に向けた意気込みをお願いします。
**iori:**丁度最近takeからいきなり「9月24日、マジで気合いいれような」みたいなメッセージが送られてきて。
**take:**それ、言うやつなんや(笑)。
**iori:**そのメッセージで俺もスイッチが入っちゃったんですよ。takeにとってもホームなので、やるしかないです。
取材・文=横堀つばさ
9月24日(火)開催『FREE!!! vol,26』

出演:jean / Khamai Leon / SOMAOTA / yhojin
OPEN 18:00 / START 18:30
TICKET:FREE
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