「自由な世界、社会の喧騒からの解放」を掲げる2人組・jean。音楽を現実逃避の場として、あるいはシェルターとして届けたいと語る彼らのコンセプトは、2人のルーツであるマイケル・ジャクソンに由来するという。

9月24日(火)に渋谷・TOKIO TOKYOにてyhojin、Khamai Leon、SOMAOTAと共演する『FREE!!! vol,26』の開催に先立ち、今回TOKIO TOKYO Knowledge Shareではjeanに話を訊いた。

美しさと泥臭さ。相反する2つの概念を混ぜ合わせ、癒しを私たちに手渡すjeanは、ビルドアップを始めたばかりだ。

――お送りいただいた2ndシングル「Brand new」は、1st「You make me happy!!!」に比べてBPMがグッと落ち、ドリーミーな印象を受ける1曲だと感じています。同作の制作はどのようなキッカケでスタートしたのでしょう。

jean:「Brand new」はセッションした時のバイブスで作った楽曲で。自分たちの中でスッとハマったというか。

**Sota Nakamura:**普段はメロディを作った後にオケを付けたり、何パターンもアレンジを試行錯誤することが多いんですけど、この曲は最初に完成した状態のままで進んでいきましたね。

――「Brand new」が持っているベクトルはゆったりとした質感だと思うのですが、どういったムードで制作していったんですか?

**jean:**この時期はDJチューンじゃないですけど、トライバルやHIP HOPを掛け合わせた楽曲を頻繁に聴いていて。普段は決め打ちで制作することやアレンジに時間を費やすことも多いんですが、「Brand new」は聴いていた音楽の感じがそのまま出ているかな。

――コーラスワークやパーカッションの音像から特に民族的な雰囲気を感じました。

**jean:**2人で遊びに行ったクラブイベントがトライバルなパーティーで、パーカッションが強かったんですよ。そこでパーカッシブな曲の良さに改めて気づいて。僕らは普段DJから楽曲のインスピレーションを受けることが多いので、クロスオーバーっぽい曲になっているんだと思います。

――「Brand new」の冒頭では日本語と英語、韓国語がミックスされた歌詞が登場します。ここにもトライバル的な要素を感じたのですが。

**jean:**中学時代に3年間韓国に住んでいたり、高校もインターンの学校に通っていた関係で、僕は海外の友達も多くて。国籍を問わず色々な人と接してきましたし、様々な人に届けていきたい。そういった気持ちが自然と表れているんだと思います。

――jeanさんご自身の中にある言語形態がそのまま歌詞に反映されている。

**jean:**そうですね。伝えたいことを音にした時にどうやって響くかを考えているかもしれないです。日本語で言うことと多言語で言うことの重みって変わってくるじゃないですか。母国語の日本語はダイレクトに受け取るけど、他の国の言葉は音でしかなかったり、言葉の意味を強く持っていないものもある。確かに歌詞に意味は込めているけれど、言葉としての重さを付けたくないときは書き方を工夫して、バランスを取っていますね。

――「Brand New」のトライバル的なサウンドスケープや言語横断的なリリックは、jeanが掲げる「自由な世界、社会の喧騒からの解放」とも連動していると思うんです。そもそもお2人がこういったアティチュードを宣言している背景には、どのような理由があるのでしょうか。

**jean:**Sotaがもともとジミ・ヘンドリックスを好きで。ジミヘンの荒々しいけど、美しいサウンド感を自分たちのユニットでも反映させようと考えているんですよ。綺麗なポップスでありながらも、泥臭さを常に持っていたいみたいな。

**Sota Nakamura:**世界を変えるというよりも音楽を癒しとして捉えているんですよね。現実逃避じゃないですけど、「音楽を聴いている時はピースで居よう」って意味で「社会の喧騒からの解放」を掲げています。

――コンセプトに込めた「音楽がシェルター的に機能してほしい」という思いはどうやって醸成されていったのでしょう。

**jean:**ユニットを結成する前も一緒に制作していたので、その期間でお互いの思考や考え方を擦り合わせることができたのかな。僕たち2人はマイケル・ジャクソンが好きなので、マイケルが教えてくれた思想に影響を受けているんだと思います。作品作りにおいてもコンセプトは常に念頭にありますし、そのベースの上でどうやってアウトプットするかを考えていますね。

――ジミ・ヘンドリックスやマイケルからの影響がユニット活動に直接投影されているのだなと。

**jean:**結成のキッカケとしてもマイケルの存在が大きかったんですよ。クラブイベントでギターを弾いていたSotaを見て、声をかけてみたらルーツが同じだった。でも、僕はマイケルからダンスやパフォーマンスに、Sotaはマイケルからピアノやビートルズ、ジミヘンなどの音楽に進んでいて。積み重ねっているそれぞれのカルチャーは全く違うのに、始点としてマイケルが存在しているから良し悪しの物差しが近いんですね。その共通点と違いが面白くてユニットになったんです。

――なるほど。そういった共通のルーツを機にjeanが結成されたのが2023年ということで、まだまだ始まったばかりだと思いますがこの先のjeanの目標は?

**jean:**最終的な目標はフルバンドでパフォーマンスとして見せるショーケースを考えているんですけど、今は2人で戦えるところまで極めようと思っていて。音数からして人数的に無理なことをやっているからこそ、2人で限界値まで持っていけたらなと思っています。

――最終的にフルバンドにしたいのはなぜ?

**Sota Nakamura:**バンドにしたいというより、なるべくリアルタイムで演奏したいんです。サウンド的にもバンドで演奏した方が迫力も出ると思いますし。

――2人から人数が増えていくことを念頭に置くと、ユニットに対する意識も変わってくると思うのですが。

**jean:**ユニットとしては変わらないと思います。サポートでメンバーを招いてフルバンドにするイメージなので、音楽を作って完成させるのは僕ら2人ですね。

――サウンド面ではバンドを導入しながらもベースはお2人ということで、ユニットとして活動していくことを大切にされているのだと感じました。

**jean:**確かにそうですね。ショーケースの一つの正解をマイケルだと考えている人が周囲に少ないですし、僕らは同じ物差しを持っているので丁度いいというか。正解が一緒だからこそ、ブレずにやれているんだと思います。

**Sota Nakamura:**まったくその通りです。芯が共通なので、今はビルドアップの段階かな。

――9月24日(火)に渋谷・TOKIO TOKYOにて『FREE!!! vol,26』が開催されます。出演を決めていただけた理由からお聞かせください。

**jean:**TOKIO TOKYOはスタッフとしても働いているハコですし、これまでに何回もライブをさせてもらった会場なので、ホームだと思っていて。ユニットになってこの場所に戻ってこれたから、思い入れのあるライブにしたいなと。

――9月24日(火)はyhojin、Khamai Leon、SOMAOTAと共演になります。3組に対する印象を教えてください。

**jean:**SOMAOTAはDinoJr.の作品を通じて知っていて。ラップが上手いなと感じていたので、一緒にライブできることが楽しみですね。

――改めて、9月24日(火)『FREE!!! vol,26』に向けた意気込みをお願いします。

**jean:**TOKIO TOKYOには思い入れがあるので、新しい形で戻ってこれたことを大切にしながら良いライブにします!

取材・文=横堀つばさ

9月24日(火)開催『FREE!!! vol,26』

出演:jean / Khamai Leon / SOMAOTA / yhojin

OPEN 18:00 / START 18:30

TICKET:FREE

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