2002年生まれの5人によって2023年に結成されたミクスチャーロックバンド・Doona。彼らが2月11日(火)にリリースした半年ぶりの新曲「BY MY SIDE」は、1st EP『Humanistic Psychoiogy』を経た、現在のDoonaのモードがありありと示された1曲である。クリエイティブコレクティブ・w.a.uから01sailとKota Matsukawaを招いたことでシンプルかつソリッドになったサウンドは、より広いフィールドへと踏み出そうとしている5人の足掛かりとなっていく。

今回TOKIO TOKYO Knowledge Shareでは、3月7日(金)にCosmic Mauve、the engyと共演する『ONE WEEK WONDER'25』の開催に先駆けて、GENKI(Vo,Gt)とRYO(Ba)、SOTA(Gt)の3人にインタビュー。暗闇の底に何があるかは分からないけど、大切な人と一緒なら大丈夫。普段は素直になれないけれど、Doonaなら思いの丈を綴れる。自らの現状を見直し、地図を広げた先にあるDoonaの音楽の行く末を語ってもらった。

洗練されたサウンドメイキングで次のステージへ進む1曲「BY MY SIDE」

――2月11日(火)におよそ半年ぶりの新曲「BY MY SIDE」がリリースされました。スクラッチを加えたHIP HOPに通ずるリズムが印象的な冒頭から始まり、クライマックスにかけてGENKIさんのロングトーンが伸びていくという展開に富んだ楽曲だと受け止めています。本作を振り返って、皆さんはどのような1曲になったと感じていらっしゃいますか。

**RYO(Ba):**今までの作品とは毛色が違うというか、トラックにバンドを乗せていく作り方が初めてだったんですよね。なので、新しい試みになったかなって。

**GENKI(Vo,Gt):**僕ららしくもあり、僕ららしくもない新しい楽曲ができたと感じています。レコーディングの方法を変えたり、トラックメーカーの方と一緒に曲を作ったりと新しいやり方にガラッと変えたことで、ここから次のフェーズに進んでいく1曲になったんじゃないかな。

――お話にあった通り、今作は特にサウンド面での変化が感じられる作品だと思いますが、制作の手法を変えたキッカケは何だったのでしょう。

**GENKI:**前々からトラックで作るやり方に挑戦してみたいと思っていたのもありますし、今までのレコーディングは録るだけというか、キッチリとフレーズを決め切った上でレコーディングに臨んでいたんですよ。でも、自分たちだけでは表現しきれないことや綺麗にまとめきれないものもあって。そういった中で、今回はレコーディングの最中にリフを変えたり、歌詞を書いたりとその場で決めていく場面もあったんです。そういう余白を作ることで、01sailさんとMatsukawaさん(Kota Matsukawa)の意見を取り入れながら、Doonaの表現にプラスアルファを加えることができたんだと思います。

――01sailさん、Kota Matsukawaさんとご一緒に制作を進めたことで新たな表現ができたとのことですけど、アレンジにお2人を招くことを決めたキッカケは何だったんですか。

**GENKI:**ご一緒するトラックメーカーの方を探す中で、01sailさんの楽曲が自分たちの求めていたコンパクトなニュージャックスウィングに近かったんですよね。そういう音楽性の側面で近しいものを感じて、一緒にやっていきたいなと。

――アレンジャーのお2人が所属されているクリエイティブコレクティブ・w.a.uは、音楽の文脈やルーツの噛み砕き方を大切にしている印象があって。その点でもDoonaの皆さんと重なる部分が大きかったと推測しているのですが。

**GENKI:**w.a.uの2人はそのジャンルを表現するにあたって必要なものとそうじゃないものを深く理解している分、分別の付け方を学ぶことができました。僕らだけで制作していくとフレーズや要素を盛り込みすぎてしまう側面もあったんですが、そこの取捨選択をしてもらえたのは大きかったです。

**RYO:**そうだね。トラックメーカーの方を招くことが初めてだったから不安な部分もあったんですけど、楽曲の構成やフレーズに意見をもらうことで、こだわりを残しながらも擦り合わせていくことができた。僕らの粗い部分を精査してもらう中で、より伝わりやすい楽曲になったと思いますし、こういう作り方に挑戦して良かったと感じています。

――お話いただいた通り、沢山の要素を加えるのではなく軸を設けた上で楽曲を洗練させていくこと、分かりやすい形で届けていくことを目指していったのはなぜ?

**GENKI:**フェーズを上げるために、外に向けてというか、より多くの人に届く音楽を考える必要があったんですよね。たくさんの人に聴いてもらうやり方を探した時に、サウンド感が直接伝わる楽曲が必要だと思った。そういった中で「今回は分かりやすいものをやってみない?」っていう。

**SOTA(Gt):**分かりやすいものを目指したことやアレンジャーさんを招いたことを考えると、俺らにとっては挑戦の1曲だと感じていて。楽曲としてはシンプルだけど、そこに至るまでの過程にはDoonaが叶えたい野望が込められているかな。

――過去のインタビューではDoonaのサウンドを確立したいといった旨もおっしゃっていましたが、今作のアレンジメントはその目標へ進むための取り組みでもあると思うんです。「BY MY SIDE」を経て、今のDoonaのサウンドに対してはどのような手応えを抱いていらっしゃいますか。

**GENKI:**言ってしまえば、何が僕らのサウンドなのかは未だに向き合い続けている部分で。でも、前のEPもジャンルがバラバラだったし、自分たちの中から自然に出てきたものがDoonaのサウンドであり、強みだと思う。5人それぞれのやりたいことが時々で変わっていくこともあるから、その時その時でDoonaのサウンドが出せればなと。

――時々で出てくるサウンドと向き合っているとお話いただきましたけど、DoonaというバンドはいわゆるR&Bやブラックミュージックのシーンに位置づけられることが多いと感じていて。そういったシーンに対しては、どのような距離感を取っていらっしゃいますか。

**SOTA:**言ってもらったシーンに俺たちが立つことになったとしても、ブラックミュージックやR&Bをやりたいわけじゃないんで。そういう音楽を好きな人たち全員をDoonaの味方にするというか、ジャンルから外れた選択肢を提示できたら良いなと思っています。

**GENKI:**いわゆる界隈みたいな人たち、そのジャンルに詳しい人たちが僕らのライブに来てくれることが多いんですけど、僕らはSOTAが言ってくれたみたいにある特定のジャンルをやりたい訳ではなくて。だからこそ、その人たちをほかのジャンルの音楽でも踊らせることができたら強いと思いますし、Doonaのサウンドを確立する道しるべにもなると考えていますね。

**SOTA:**俺たちの中のブラックミュージックの要素って、スパゲッティのパセリくらいの感覚で。自分たちのルーツにそういう音楽が流れている分、勝手にエッセンスは入ってくる。なので、それ以外の面白いことに挑戦していって、付いてきてもらえたらこっちのもん、みたいな。ジャンルで踊らせるんじゃなくて、Doonaの音で踊らせられたら最高です。

4人がバックにいるから何でも言えちゃうような気がする(GENKI)

――前作『Humanistic Psychoiogy』では人間社会の生々しさや人臭さに焦点が当たっていましたが、「BY MY SIDE」では他者との関係について高い抽象度で綴られています。言葉の選び方にも変化があったと思うのですが、今作はどういった部分から膨らませていったのでしょう。

**GENKI:**歌詞に関してはDoonaの現状と付随している部分が大きくて。正直なところ、まだ僕らは次に行くべき場所が分かりきっているわけじゃないんですよ。でも、とにかく先へ向かおうとしている。そのモードが今回の歌詞に繋がっているんですよね。暗闇の底って飛び込まなきゃ何があるか分かんないじゃないですか。飛び込んだ先が悪い場所の危険性もあるけれど、崖っぷちに立ったなら飛び込まなきゃいけない。そんな時に1人で飛び込むんじゃなくて、大切な人と飛び込めたならどんな状況でも良いんじゃないかなって思いを込めました。

――ここまでのお話の中で、バンドとしてネクストステージへ進もうとしていることがひしひしと伝わってきていますけど、まだ皆さんの中で進む先は漠然としている?

**GENKI:**EPをリリースするまでは無我夢中で走っていたというか、純粋にやりたいことをやっていた感覚だったんです。でも、今は一旦立ち止まって、僕らが本当に行きたい場所を決める期間にあると思う。サウンドの話もそうですけど、まだまだ話し合っている段階ではありますね。

――おっしゃっていただいたような、ある種モヤモヤとした状態をそのまま楽曲に落とし込むことができたのも重要な気がしました。迷いを抱えながらも「飛び込んじゃおうぜ」と言えることは強さだと感じましたし、間違いなくポジティブなことだなと。

**GENKI:**僕にとって歌詞は何かを提示するものな気がしていて。自分の悩みに対して言ってほしいことだったり、求めている意見だったりをキッカケにしているから、一種の願いでもあるんですよね。

――自分自身に言い聞かせる感覚?

**GENKI:**そう。「こういう歌詞を歌っている人がいたら良いな」って思う歌詞を書いているし、僕は正直になれない人間だけど、歌詞だったら思ったことを言える。今回の楽曲も「どこに飛び込んでもあなたがいれば大丈夫よ」っていう意見として書いたので、ポジティブな楽曲になったと思っています。

――歌詞であれば、素直でいられるのはどうして?

GENKI:「Ivory」は僕がソロ時代に作った楽曲なんですけど、あの曲は特に「こうだったら良いのに」「こうしてくれたら良いのに」って祈りや願いみたいなものが詰まった1曲なんですよ。一方、Doona5人で作った「J-NET JACK」なんかは、「それはもうするなよ」「これをやろうよ」みたいに言い切ることができていて。1人だと心細くて言えないことが、5人だったら強いことも言える。4人がバックにいるから何でも言えちゃうような気がするんです。

**SOTA:**俺らがケツを拭いてくれると思ってるんだよな。

**GENKI:**思ってる。1人じゃないことが大きいんですよ。

the engy、Cosmic Mauveと共演。3月7日(金)開催『ONE WEEK WONDER'25』

――3月7日(金)に『ONE WEEK WONDER'25』が開催されます。Doonaの皆さんには、2024年5月の『LOOSE PLAY FESTIVAL』や2024年6月の『LOOSE PLAY』をはじめ、幾度もご出演いただいていますが、TOKIO TOKYOにはどのようなイメージをお持ちですか。

**SOTA:**まず、トキトキはトイレが綺麗ですよね。

**RYO:**間違いない。水回りが綺麗なライブハウスは良いライブハウスですから。

**SOTA:**トキトキは自分たちのライブ以外でも足を運んでいるので、色んな側面でお世話になっているライブハウスだなっていう。

**GENKI:**2人が言ってくれたみたいに綺麗だし、気楽に足を運べる会場だと感じていて。親しみやすさがあるから遊びに行けて、新しい音楽を見つけられる場所だと思っていますね。

――3月7日(金)開催の『ONE WEEK WONDER'25』はCosmic Mauve、the engyとの共演になります。2組に対する印象を教えてください。

**SOTA:**Cosmicの貢太くん(中山・Vo)とはライブハウスで出会ってから仲良くさせてもらっているんですけど、彼のフロントマン像っていわゆる格好良いフロントマンではないと思うんですよ。もちろんその要素もあるんですが、全部を夏にしちゃうフロントマンは新しい気がしますし、そのパワーが凄い。気づいたら俺らも夏になっちゃうんで、俺らは俺らのスタンスをしっかり保ちたいです。あと、Cosmicはとにかくみんな人がいい。

**RYO:**the engyはまだ対バンしたことがないので、未知の領域だよね。

**GENKI:**そうね。ライブを観させていただいたことはあるんですけど、まだしっかり話したこともないのでこの日に仲良くなれたらなと。

――改めて、3月7日(金)『ONE WEEK WONDER'25』に向けた意気込みをお願いします。

**GENKI:**頑張るぞ!!!

**SOTA:**その声、文字で伝わるかな(笑)。

**GENKI:**とにかく久しぶりのライブなので、ずっと来てくれていた人たちもさらに楽しめるライブにします。

**RYO:**ブランクを感じさせないどころか、成長しているところを見せたいですね。

**全員:**がんばるぞ!!!

取材・文=横堀つばさ

3月7日(金)開催『ONE WEEK WONDER'25』

出演:the engy / Cosmic Mauve / Doona

OPEN 18:30 / START 19:00

ADV / DOOR ¥3,000 / ¥3,500 + 1D

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