
海風に乗って運ばれてくる磯の香りとこんがりと焼けた肌。カンカン照りの太陽の元を、真っ赤なオープンカーで駆け抜けていく。自らを「サマーボーイズ」と称する5人組・Cosmic Mauveの音楽は、こんな夏の情景を連れてくる。しかし、中山(Vo)は自らの性格を「心配性で寂しがり」と語ってくれた。それではなぜ、彼らは底抜けに明るい楽曲たちを生み出すことができるのか。
今回TOKIO TOKYO Knowledge Shareでは、3月7日(金)にDoona、the engyと共演する『ONE WEEK WONDER'25』の開催に先駆けて、中山と池田(Ba)の2人にインタビューを実施。彼らにとっての夏。それは幼少期の原体験であると同時に、音楽を通じて届けたいハピネスの具現化だった。
家族への思いと夏の寂しさを込めた1曲「サンローク」
――2024年2月に「サンローク」がリリースされました。この楽曲はサイパンでのご家族との思い出を池田さんが綴った楽曲とのことですけれど、その思い出が曲になっていったキッカケは何だったんですか。
**池田(Ba):**もともとこの楽曲を作った時は、歌と一緒に歌詞も出てきたんですよね。だから、自然と出てきたものがこの景色だったというか。Cosmicに曲を書いていったら、この曲になった感覚でした。
――「サンローク」は夏の盛りではなく、夏の終わりの光景をイメージさせるじゃないですか。これはバカンスに行った時期だったり、この曲の元になった原風景と重なっているんですかね。
**池田:**そうだと思います。うちは毎年夏休みに沖縄とか、南国のリゾート地に行く家族だったんですよ。その旅行は毎回夏休みの終わりだったから、「もう学校に行かなきゃ」「宿題を終わらせなきゃ」と思うキッカケでもあった。だから、夏の終わりの寂しさが曲にも出ているんじゃないかな。
――中山さんは「サンローク」を振り返って、どのような作品だと受け止めていらっしゃるのでしょう。
**中山(Vo):**純粋に良い曲だと思っていますし、歌詞を見た時に家族の歌だとすぐに分かったんですよね。そこにズッキー(池田)らしさを感じました。
――池田さんらしさというと?
**中山:**この曲をリリースした時期は、ズッキーのお母さんがライブに来てくれたり、ご飯を頻繁に作ってくれていたタイミングだったので、お互いに思い合っている家族だなと感じていて。言葉には出さないけれど、写真を撮った時に喜んでいたりと仲睦まじかった。その中で<真夏のビーチ ほら 置いてくよ また来るから>の歌詞は、家族をイメージさせられましたし、言葉の優しさがズッキーの家族に対する温かさと繋がっている気がしたんです。
**池田:**確かに、この曲を書き始めた当初は家族の歌だったんですよ。でも、今の段階では照れくさくてストレートに書くことができなかったから、色々な意味で受け止めてもらえるような歌詞にしていきました。まだ今回は書けなかったけれど、いつかは真っ直ぐな歌にもチャレンジしたいですね。

夏の表現を通して理想郷を追い続けている(中山)
――そして、2024年8月には「Sunday You」が発表されました。これまでのディスコグラフィーの中でもアッパーな雰囲気を持った1曲ですが、この楽曲はどういったところからスタートしたのでしょう。
**中山:**まず、僕はドライブをしながら音楽を聴くことが好きなんです。だから、ドライブ向き気持ちがアガる曲を作りたいと思っていた。「Sunday You」はそのテーマに合った1曲になったと思いますし、留学していたニュージーランドの風景を落とし込んでいけたかなと。
――ニュージーランドの光景を思い浮かべながら制作していった。
**中山:**もちろん、ニュージーランドの留学体験から影響を受けているんですけど、「Sunday You」はどちらかというと間を埋めるような感覚があって。というのも『COSMIC SUMMER TIME』が街から海までの道筋にニュージーランドの思い出を当てはめながら作ったアルバムだったんですよね。思い出の地図を作っていくというか。その1枚があったので、ニュージーランドの思い出を擦っても焼き直しにすぎないと思ったんです。だから、この曲は強いモチーフがあったわけではなく、Cosmicのド定番をいく王道な海の歌。そういう意味ではCosmicをどうやって聴いてほしいかを体現している気がします。
――「Sunday You」はバンドイメージの中心を貫く歌だとお話いただきましたけど、中山さんはCosmic Mauveの音楽がどのように届いてほしいんですか。
**中山:**音楽には気持ちを変えるエネルギーがあると思っていますし、人生や生活をより良くするものであってほしいんですよね。楽しい時に聴けば「ワーッ」ってなるし、楽しくないときに聴いてもどこかで楽しかったことを思い出したり、誰かを誘って何かをしようと思える起爆剤になると思う。音楽が何かのキッカケになってほしいから、「日曜日に出かけようよ」「楽しい日曜日にしようよ」みたいな「Sunday You」は、その思いに沿っているんです。

――おっしゃっていただいたように、Cosmic Mauveの音楽は今をエンジョイするポジティブな雰囲気を纏っていると感じています。その明るいムードは「音楽を通じて楽しくあってほしい」と考えていることに由来しているものなのでしょうか。それとも、性格的な部分に由来している?
**中山:**僕は人前だと明るいタイプなんですが、本当は心配性で寂しがりなんですよ。1人だとグルグル考えてしまう分、友達といれば不安だったことも忘れられるし、誰かと一緒にいる時が一番楽しい。だからこそ、「みんなで一緒に楽しくいたい」と強く思っているみたいな。
**池田:**もちろん、制作にまつわる真面目な話が多いのでそうならざるを得ない側面があるとは言え、貢太(中山)はネガティブだと思うよ。
**中山:**マジか!
**池田:**うん。基本的にはポジティブに見えるけど、実はネガティブ。
――ご自身としても池田さんから見ても、中山さんは性格的にネガティブな部分があるにもかかわらず、作品がポジティブなアウトプットになっているのはなぜなのでしょう。
**中山:**音楽は一種の理想郷なんだと思います。音楽も悲しかったら、いつ楽しくなるんだろうって感じるし、「友達といたい」「楽しくあってほしい」みたいな気持ちの反映が音楽。僕のお母さんは自分と似た性格なんですけど、やっぱり夏が大好きだし「南の島でゆっくりできたら良いね」って言っていて。その姿を見ていたから、それが人生の理想になっているんですよね。その理想と音楽イコール楽しくあるものといった図式が重なって、夏の表現を通して理想郷を追い続けているんじゃないかな。
Doona、the engyと共演。3月7日(金)開催『ONE WEEK WONDER'25』
――3月7日(金)に『ONE WEEK WONDER'25』が開催されます。Cosmic Mauveの皆さんには、2024年6月に『FREE!!!』、9月に『LOOSE PLAY』へご出演いただいていますが、TOKIO TOKYOにはどのようなイメージをお持ちですか。
**中山:**出演する前からトキトキは若いアーティストが集まっている印象があって。普段はなかなか対バンしないバンドも多いんですけど、それぞれが面白くて、仲良くなりたいバンドが多かった。音楽の溜まり場みたいな会場だと感じています。
**池田:**初めて行った時から毎回驚かされるというか、お客さんの音楽に対する熱を感じる場所で。トキトキの音楽へのリスペクトが、お客さんやアーティストに伝播しているなと。

――3月7日(金)開催の『ONE WEEK WONDER'25』はDoona、the engyとの共演になります。2組に対する印象を教えてください。
**池田:**2組とも対バンしたことがありますし、近しいバンドだと思われているんですけど、「お邪魔します」って感覚があるんですよね。というのも、2組とも格好良いじゃないですか。その中に漢感満載の常夏バンドが入っていくので。
**中山:**おしゃれしてかなきゃいけない気がするよな。とはいえ、2組とも好きなバンドなので、凄く楽しみです。
――改めて、3月7日(金)『ONE WEEK WONDER'25』に向けた意気込みをお願いします。
**池田:**3月に入って少しずつ温かくなってくる時期なので、俺らが夏の扉を開きます!
取材・文=横堀つばさ
3月7日(金)開催『ONE WEEK WONDER'25』

出演:Cosmic Mauve / Doona / the engy
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV / DOOR ¥3,000 / ¥3,500 + 1D
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