「ガールクラッシュ」を標榜しながら、2024年にその産声を上げた4人組・CHIANZ。親友4人で結成されたこのバンドは、シンガーソングライターや女優など、多角的な活動に臨んでいるそれぞれにとってのオアシスであり、簡単には揺らがない一枚岩だ。そんな彼女らが2024年9月にドロップしたシングル「GIRL」は、1st EP『OGYA』の制作を経て、シンプルかつソリッドなロックバンド像へ挑んだ1曲である。

今回TOKIO TOKYO Knowledge Shareでは、3月26日(水)に新東京と共演を果たす『ONE WEEK WONDER'25』の開催に先駆けて、CHIANZの4人に話を聞いた。活動開始から約1年を経て、バンドとしての矜持に芽生えつつあるCHIANZの今。家族のような4人が生み出すスタイリッシュな音楽たちは、哀愁を帯びながらも確かな煌めきを放っている。

ストレートなロックバンド像へ挑戦した1曲「GIRL」

――2024年9月に「GIRL」がリリースされました。前作『OGYA』には収められていなかったような爽快感を宿しながら、海辺をバイクで走る光景を浮かばせる1曲だと感じています。改めてこの曲を振り返ってみて、皆さんはどのような作品になったと感じていらっしゃいますか。

**Foi(Vo,Gt):**言っていただいたように、EPだとここまで疾走感がある楽曲はなかったと思うんですよ。私たちは各々がソロで活動していることもありますし、バンドでやるからこそ映える、ライブでお客さんと一体になれる曲が欲しかった。あとは、音数的にもシンプルな楽曲を作りたかったので、同期を極力減らした上で、骨太なロックを生み出そうとしていた気がします。

――4人で鳴らすバンドサウンドに焦点を当てた楽曲を、EP後初のシングルに据えた理由は何だったのでしょう。

**Foi:**意外と制作の期間としては、明確に区切ってなかったような気もしていて。いざEPにまとめる時に、「GIRL」のポップな雰囲気は次にしようと決めたというか。

**eill(Vo,Key):**夏の終わりにひと夏の恋を疾走感ある音で描くことで、流れていく水みたいにみんなの元に届いてほしかったんです。CHIANZはシティポップに括られることが多いですけど、それぞれのカラーを見るとパンクやロック、R&Bだったり全く別のジャンルが混ざりあったバンドでもあって。そうした中で、ロックというものに挑戦した「GIRL」は1つの橋みたいな楽曲だったと思います。


――「GIRL」は確かに太いロックサウンドが鳴った1曲ですが、音像としてはCHIANZがもともと持っていた灰がかったエアリーなムードを引き継いでいると思っていて。CHIANZのサウンド感をどのようにロックバンドらしい音へ昇華していきましたか。

**Chie(Gt):**ギターで言ったら、今回はかなりシンプルに弾きましたね。他の曲だとギターを重ねていたり、メロディーチックなことをやったりもしているんですけど、この曲は真っ直ぐなロックがテーマだったので。意識的に前作から変えたわけではなく、自然とシンプルに響かす方向に進んでいったかな。

**Foi:**べースの話をさせてもらうと、この曲はベースの音色を結構調整していて。ニューウェーブやガレージロックっぽさを出したかったので、歪ませつつ、硬い音にしていったんですよ。

――ベースの音色に変化を加えたのは、ニューウェーブやガレージ系のサウンドがこの曲で目指そうとしたロックバンド像に合致していたから?

**Foi:**当初からそういったバンドのフレーバーは念頭にありましたし、制作を進めるうちに段々と寄っていった感じでした。あと、フェードアウトしていく時に玲ちゃんのベースが暴れているところが気に入っていますね。

**月川玲(Ba):**あそこは往生際が悪くて、フェードアウトと言われているのにいっぱい弾いちゃいました。そのパートも含めてですけど、ベースは歌やほかの楽器を邪魔しないながらにもきちんと主張したくて。「ずっと同じことをやっていてもな……」と思っていた結果、ポップコーンみたいになっていた感じなんです。はじけちゃったというか。

――なるほど。歌詞についても伺いたいのですが、「GIRL」は「DAYDREAM」とも共振するようなさっぱりとしたラブソングに仕上がっていると思いますし、そのリリックがここまで話していただいたサウンドスケープとも合致していると思うんです。「GIRL」も含め、CHIANZの歌詞にはノスタルジックなスパイスが含まれていますけど、その源はどこにあると思います?

**Foi:**何なんですかね……。歌詞はeillちゃんと相談しながら作り上げているんですが、ワードに関しては感覚だと思っていて。「曲の雰囲気がこうで、画像で言うとこんなイメージだよね」みたいな擦り合わせをしつつ歌詞を書いていく中で、自然と言葉が選ばれていく。「GIRL」も「DAYDREAM」もそれが結果的にCHIANZのメインとしている音像と合致していった感じかなと。

**eill:**歌詞は感覚的ですね。とはいえ、メロディーに合う言葉だったり、語感的な部分は大事にしているので、スッと入ってくる歌詞にしている気がします。

ーー「GIRL」では<君に触れ 恋を知った><どんな夜も会いたかった>と過去を振り返りながら思い出を掘り起こす歌詞が、先ほど言わせてもらったノスタルジックな側面を演出していると思うんですよ。そうやって、あの頃を思い出す、あるいは懐古するニュアンスを含むことが多いのはなぜなんでしょう。

**Foi:**歌詞を書く2人がそういうエモーショナルな物語が好きだからじゃないですかね。

**eill:**あとは、青春を今のものとして書くよりも過去の物語を覗くように描く方が、年を重ねた今の自分たちにはしっくりくるんですよ。走馬灯みたいなイメージが音楽を書く時の軸になっている、みたいな。

――10代の盛りから時間的な距離が遠ざかっていくことで、青春を客観視できるようになったと。

**eill:**この瞬間はここにしかないので未来の方向を見るしかないですけど、あの頃に対しては時間に逆行して振り返ることができるじゃないですか。そうやって過去を思い出す時に自分のことを俯瞰している瞬間が私にはあって。私が歌詞を書く時はその視点を意識しているんです。

何か一つが欠けた時にCHIANZにはならない(eill)

――今のお話もですし、CHIANZの皆さんはそれぞれがそれぞれの場所をCHIANZ以外にもお持ちじゃないですか。そうした中で、バラバラな性質を持った4人が集まってくるCHIANZは、皆さんにとってどのようなアウトプットの場所だと思います?

**eill:**みんなとの遊び場のようなイメージが強いです。プライベートでたくさん遊んでいたとはいえ、それぞれが続けてきた音楽では遊んだことがなかった。そんなみんなと一緒に音楽ができる場所がCHIANZなので、正直なところ、この4人じゃなかったらバンドをやっていたかったと思うし、何か一つが欠けた時にCHIANZにはならないんです。CHIANZは3人と一緒に歩く人生を楽しむ場所。この4人そのものに光が当たっている場所がCHIANZなんですよね。

**Foi:**eillちゃんとも被るんですけど、1人で作る音楽は私が書くものであり、歌うものだから、私自身に何が一番似合うかを考えるんですよ。でも、バンドってなると、表現方法も違いますし、音楽的なテイストも広がる。もちろん、通じている部分もありますけれど、それぞれで楽しめる、人生の幅を広げてくれる場所だなと。あと、CHIANZがあることで新しいチャレンジも実現できていて。そういうことも含め、大切にしたい存在です。

――Chieさん、月川さんはいかがですか。

**Chie:**CHIANZ以外での活動は、自分の整理を兼ねたアウトプットになることが多いんですけど、CHIANZはこの4人だから生まれるものを強く意識するんですよね。だから、それぞれが並行で走っている感覚がある。と同時に、もともと友達の集まりからスタートしている分、今でもサービスエリア的というか、友達っぽい雰囲気も健在で。友達らしさと音楽としての集まりの2つを兼ね備えた場所だと思っているかな。

**月川:**サービスエリアとも言ってましたけど、私にとってCHIANZは広くて狭いオアシスのような存在で。気心の知れた友達の後ろでベースを弾くことは安心できると思いつつ、あみだくじを辿っていった先にバンドがあった、みたいな感覚もありますね。

――月川さんにとってCHIANZが1つのホームになっていることは分かったのですが、「近くて狭い」というのは?

**月川:**CHIANZはもともと友達で結成したバンドなので、コミュニティとしては凄く近しいじゃないですか。そういう親しさ、近さがある一方で、1人1人がやらせていただいていることや立たせてもらっているステージ、曲の雰囲気とかは広範囲だと思うんです。4人の個性がバラバラだからこそ、選択肢が×4通り生まれる。そういう意味ではやれることの余白というか、広がりがあるんじゃないかなと。

新東京と共演を果たす3月26日(水)開催『ONE WEEK WONDER'25』

――3月26日(水)に『ONE WEEK WONDER'25』が開催されます。CHIANZの皆さんには2024年6月にTOKIO TOKYOで初ワンマンもしていただいていますが、TOKIO TOKYOにはどのようなイメージをお持ちですか。

**eill:**渋谷のど真ん中に新しいライブハウスができるって話を聞いてから、素敵なハコだとずっと思っていましたし、それこそFoiちゃんのライブを観に行ったりもしていて。物凄く好きな場所なんです。だから、ファーストワンマンをやることになった際にトキトキしか浮かばなくて、TOKIOさんにご連絡させていただきましたね。

**Foi:**トキトキって、結構ライブハウスに革命を起こしたと思っているんですよ。というのも、コロナ禍に入る前はドアにパスが貼ってあって、地下に降りてみたいなライブハウスが大半だったじゃないですか。そういう会場で日々ライブをしている中で、トキトキがパッと出てきた時に、内装もブランディングもお洒落だし、こんなライブハウスは見たことないなと感じたんですよね。で、実際に最近はそういう綺麗で明るい会場も増えている気がしますし。しかもイベント自体、ちゃんと音楽が好きでどうやったらお客さんが喜ぶかを考えているものばかりなので、そこもリスペクトしています。

――3月26日(水)開催の『ONE WEEK WONDER'25』では新東京とのツーマンライブになりますが、新東京に対する印象を教えてください。

**Foi:**新東京は一度ワンマンに行かせてもらったことがあるんですけど、ドラムとキーボードが特にテクニカルでイケてるバンドだと感じていて。春音くん(新東京Vo・杉田春音)と優真くん(新東京Dr・保田優真)とは「いつか対バンしたいね」とも話していたので、今回こういった機会をいただけて嬉しいです。

**Chie:**私は今回初めて新東京の皆さんと関わりを持つんですけど、アグレッシブなプレーだったり、洗練されている楽曲のイメージが強かったので、対バンすることを聞いて震えましたね。「どうしよう」って緊張したくらいですけど、共演できることが楽しみです。

――改めて、3月26日(水)『ONE WEEK WONDER'25』に向けた意気込みをお願いします。

**eill:**CHIANZはまだライブ自体の経験も多くないですし、今回が初めてのツーマンライブなので、きちんと空気を作りたいなと思っていて。新東京はビジュアルも含め、かっちりとイメージが固められている印象があるから、CHIANZの世界観をちゃんと作れるライブがしたいです。

Chie:凄くシンプルに、イケてる場所でイケてるバンドとやるので、イケてるライブをしたいですね。

**月川:**東京という競合になるバンドと戦わなきゃいけない場所で、しっかりCHIANZとしての色を残せたらなと思っています。

**Foi:**まだまだ経験が浅いとはいえ、バンドをやるからにはほかのバンドたちと切磋琢磨したいとずっと思っていて。そういう中での今回のツーマンは凄く良いチャンスですし、また共演したいと思ってもらえるライブをしたいです!

取材・文=横堀つばさ

3月26日(水)開催『ONE WEEK WONDER'25』

出演:新東京 / CHIANZ

OPEN 18:30 / START 19:00

ADV / DOOR ¥3,500 / ¥4,000 + 1D

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