
2024年7月12日(金)、東京・渋谷TOKIO TOKYOにて『BONE WEEK WONDER’24』が開催された。
『BONE WEEK WONDER』は、同ライブハウスが主催する夏のスペシャルイベントとして2022年にスタート。これまでに浪漫革命やammo、ルサンチマンらを招き、特別な夏の夜を作り出してきた。
企画担当・ニイムラ氏が「仕事を終えてお酒を飲みながらはしゃぐことができればいいな」と語った今回は、the engyとS.A.R.が出演。『BONE WEEK WONDER’24』の幕開けとなったステージの様子をレポートする。

「訳分からなくなるまでぶっ飛ぼう!」the engy

『BONE WEEK WONDER’24』のトップバッターを務めたのはthe engy。濱田周作(Ba)のメロディアスなベースプレイが炸裂する「N」をオープニングナンバーにチョイスすると、山路洸至(Vo,Gt)の吐息がアダルトな質感を形成した「Anymore」を連ね、初っ端から会場をクラップで満たしていく。「雨の中ありがとうございます。ざばざばいけますか?」と煽りつつ、「ざばざばって意味分からんな。訳分からなくなるまでぶっ飛ぼう!」とシャウトすると「Not Today」へ突入。山路の歌い出しに瞬時に歓声が立ち昇り、紫とピンクの照明がジャケットのデザインを想起させた。
続く「She makes me wonder」では、スラップを駆使した好戦的な濱田のプレイにつられて、山路もトーンを上げていく。ストリングスの音色が壮大さを演出し<She makes me wonder>のチャントを発生させると、「新曲良いですか?」と問いかけ「I Miss U」を投下する。2018年リリースの初期曲と最新曲を接続し、最新鋭のthe engyを見せつけるセットリストには「やられた」の一言。そんな「I Miss U」では藤田恭輔(Gt,Key)のブリッジミュートが高揚感を高め、山路がハイトーンボイスをかます。境井祐人(Dr)のビートをバックにフロントの3人が合唱する姿には、今後同ナンバーで巻き起こるシンガロングへの期待を抱くしかない。山路が漏らした「あまりにも踊りすぎて、新曲って忘れてた」の一言が同曲の完成度を象徴していた。
唸りを上げた藤田のギターを筆頭に激しいセッションを展開した「When you're with me」、「Sick enough to dance」を経て、ショータイムも後半戦。「Hold you again」では山路のラップパートが境井のシンバルによって一転し、ひりついた音像でオーディエンスを揺らす。リリックにシンクロして1のサインが掲げられる光景は、「まだこの夜が終わらないで欲しい」と願う会場の想いを体現しているよう。「汗が似合う夜が訪れますように!」の願いと共にエンディングを彩ったのは「Headphones」。山路がフロアへと乱入し、宣言通り汗だくの夜を完成させた。
「楽しんでもらえる人はイェイ!」S.A.R.

4月末にTOKIO TOKYOにて初ワンマンを成功させたS.A.R.が『BONE WEEK WONDER’24』のステージに帰還。ゆったりとしたTaro(Key)のキーボードサウンドが鳴り始め、santa(Vo)の色気漂う歌声が会場を満たしていく。タイトル通り、青いライトが客席を染めた「Abstract Blue」から「Strawberry fields」へと繋げると、ショータイムの幕が上がった。シンバルの軽やかな刻みからビート感の強いタムまで緩急を付けたmay_chang(Dr)のプレイがファンを揺らすと、Imu Sam(Gt/MC)からAttie(Gt)へとギターソロが回され、観客からは歓声が上がる。
雪崩れ込んだ「Kaminari」のクライマックスでは、santaの奥行きのある声色がダブ的なアレンジメントを加速させた。合間に織り込まれるEno(Ba)のスラップも決して攻撃的というわけではなく、空白を埋めるようなタイミングで差し込まれるために心地良い。どのタイミングで誰が前面に出るのかという分担が明確にあるからこそ、立体感が誕生しているのであろう。無音のポイントがフックになっていたmay_changのドラムやソロ回しにも通底していたこのバランス感覚は、彼らの鍵としてジャムセッションが存在していることを感じさせた。
Imu Samが「久しぶり! 待っててくれてありがとう。楽しんでもらえる人はイェイ!」と投げかけた、スタイリッシュな楽曲群とはギャップのありすぎるMCを経て、ライブも後半戦へ。「鼻歌でも良いよ」とsantaがラフに語りかけ、シンガロングを発生させた「CAP」と「UPTOWN」を連投してフィニッシュ……かと思われたが、「あと15分あったらしいです」と思わぬサプライズ。これにはファンからもどよめきが噴出し、6人も「どうしようか?」といったムードを漂わせる。ステージ上ではクールな演奏を炸裂させるS.A.R.のキュートな一面が立ち現れたやり取りを終えると、「Cannonball」でバシッとピリオドを打った。
こうして夏の始まりを告げた『BONE WEEK WONDER'24』。来年はどんな『BONE WEEK WONDER』が待っているのか。今から心が躍る。
文=横堀つばさ
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