
2024年3月23日(金)、東京・恵比寿LIQUIDROOMにて『ONE WEEK WONDER’24 〜LIQUIDROOM EDITION〜』が行われた。
渋谷に位置するライブハウスTOKIO TOKYOの3周年を記念した『ONE WEEK WONDER』は、3月3日〜8日に同ライブハウスにて開催。小林私やKhaki、motherらが出演し、タイトル通り驚きと感動に満ちた一週間となった。
そんな同イベントの特別編となった今回は、PEDROとMONO NO AWAREの2組が出演。3周年のお祝いにふさわしい幸福感に包まれたステージの模様をお届けする。
PEDRO「もっともっと音楽で誰かのきっかけになったり、人生と交わりたい」
時刻は19時、「刻音 東京」と書かれた赤いネオンが灯ると、アユニ・D(Ba,Vo)と田渕ひさ子(Gt)、ゆーまお(Dr)の3人がステージに姿を現す。

祝祭の始まりを告げたのは、昨年11月にリリースされた『赴くままに、胃の向くままに』よりドロップされた「グリーンハイツ」。<出かけたくない>というアユニの叫びにも近い声に共鳴するように会場のボルテージが高まっていくと、田渕のアルペジオが印象的な「ぶきっちょ」、ゆーまおが刻む4つ打ちのビートに体を揺らしたくなる「安眠」を畳みかける。

観客が自然と手を振り一体感を見せた「浪漫」を終えるとMCへ。アユニは自身がMONO NO AWAREの大ファンであること、MONO NO AWAREのギター・加藤成順の妹がBiSHとPEDROを好きでいてくれたことを語る。主催のTOKIOも冒頭で「PEDROを一ファンとして愛しており、呼ぶことが出来て嬉しい」と話していたが、愛と愛が共鳴し1つのイベントとして結実していること、アユニに言わせれば“運命が繋がった”ことを実感する。

「もっともっと音楽で誰かのきっかけになったり、人生と交わりたい」と更なる飛躍を誓うと「飛んでゆけ」へ。<朝、着る服にアイロンをかけてさ>や<夜、髪の毛乾かした お風呂の電気消したはず>というラインから生活の匂いが漂ってくる。前半の4曲でも感じていたが、PEDROの音楽はどこまでも等身大で、生活に寄り添っていると改めて思う。それは「飛んでゆけ」の後に披露された「ナイスな方へ」も同じこと。<生活はこどもみたいに 暮らしは大人のように>と歌いあげる同曲にはアユニの“生活観”が表出していた。

会場の後ろにいてもチューニングの音が聴こえるような静寂の後、優しさに満ちたアユニの声で始まったのは、MONO NO AWAREのベース・竹田綾子が「夢中でひたすら音楽を聴いていた10代の頃の気持ちを思い出させてくれるギターロック」と評した「春夏秋冬」。(なお、加藤成順は「生活革命」にコメントを寄せているのでチェックして欲しい)ゆったりとした冒頭のパートが田渕のギターを合図にギアチェンジすると、一気に楽曲世界へと引き込まれる。どこか泣きそうな表情で四季と街を歌うアユニの姿に、オーディエンスもじっと見入っていた。
昨年リリースした『後日改めて伺いました』と『赴くままに、胃の向くままに』からセットリストの大半が構成された45分間。晴れた日曜日の昼下がりのような温かさに包まれていた3人のライブは、最新のPEDROがベストな状態であることを示していた。
MONO NO AWARE「独自の視点と信念でやっているTOKIO TOKYO」
PEDROのライブが幕を下ろすと、再びTOKIOがステージへ。「刻音 東京」のネオンが「TOKIO TOKYO」と読むことを紹介し、「TOKIO TOKYO」のコール&レスポンスを巻き起こす。フロアの熱量をそのままにMONO NO AWAREの4人が登場。玉置周啓(Vo,Gt)が再び「TOKIO TOKYO」のコールを要求すると、竹田綾子(Ba)のコーラスが光る「異邦人」でライブをスタートした。

早口言葉のリフレインに歓声が上がった「かむかもしかもにどもかも!」を終え、「噛んだよ~!」と玉置が一言。先ほどまでの息を呑むようなパフォーマンスとは打って変わった緩さに思わず口元が緩む。加藤成順(Gt)のギターがうねる中、続けて「幽霊船」を投下すると、青い照明と相まって一緒に航海をしているかのような気分に。4人が船頭であるならば、私たちはさながら乗船員といった所だろうかと考えていると、まだまだ航海は終わらないぞとばかりに、柳澤豊(Dr)のビートから「味見」が投下される。アユニ・Dも同曲にコメントを寄せていたが、食という“生活”をテーマにしょっぱさも冷たさも苦ささえも<それもいいか>と言い切れる包容力は凄まじいなと思う。


MCでは、竹田綾子(Ba)からの「ペース早すぎる」とのツッコミもさることながら、玉置が『「魔法」良かったね。』とPEDROのライブを振り返る。加藤が自身の妹がPEDROやアユニ・Dのファンであることを恥ずかしげに語ると、早くも後半戦へと投入。2月にリリースした最新曲「アングル」では、ジャケットの夕暮れを想起させるようなライトが会場を包む。<アングルが変われば よりもっと複雑なことに気づくけれど アングルが変われど 自分が選んだ目線は ひとつだけのままよ>と目線を変えることの大切さと変えないことの大切さを歌った1曲。上下が反転したジャケットも双方の重要性を象徴しているのだろう。
「独自の視点と信念でやっている『TOKIO TOKYO』のイベントに出させてもらって光栄でした」と玉置の最後のMCが終わり、「せーの!」という掛け声から始まったラストナンバーは「東京」。“東京”という街には数え切れないほどの人が存在し、その一人一人に生活があり、ドラマがある。1音目が鳴らされた瞬間にファンから拍手が送られたことや、大きく体を揺らしている人が多かったことは、まさしくこの曲がそんな生活を彩っていることを提示していた。

怒声に近いアンコールの声に応えて再び姿を現した4人。「PEDROを呼ぶときのアンコールですけどね」と笑いを誘うと、MONO NO AWAREの愛くるしさが詰まった祭りの時間に「イワンコッチャナイ」でピリオドを打った。
<セットリスト>
『ONE WEEK WONDER'24 ~LIQUIDROOM EDITION~』3月22日(金)LIQUIDROOM
PEDRO
1.グリーンハイツ
2.ぶきっちょ
3.安眠
4.浪漫
5.飛んでゆけ
6.人
7.ナイスな方へ
8.魔法
9.春夏秋冬
10.余生
MONO NO AWARE
1.異邦人
2.かむかもしかもにどもかも!
3.幽霊船
4.味見
5.そこにあったから
6.アングル
7.風の向きが変わって
8.東京
Written by Tsubasa Yokobori
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