高木
フリーでカメラマン、映像制作として活動する中、2021年に運営スタッフとしてTOKIO TOKYOに参加。その後イベント制作を担当し、2024年5月にTOKIO TOKYOを運営する"HYPE株式会社"に入社。現在ではイベント制作と会場運営を担当する。
instagram:@ken_treee

”インディーズアーティストの登竜門”を目指し、連日さまざまなイベントを開催するTOKIO TOKYO。今回は同ライブハウスにてイベント制作を担当する高木にインタビューを行った。インタビューを通じて見えてきたTOKIO TOKYOが目指すアーティストサポートの形を味わってほしい。

「自分たちで作っていく感覚」TOKIO TOKYOでのイベント制作業務

――高木さんは現在HYPE株式会社が運営するTOKIO TOKYOにてイベント制作を担当されています。そもそも音楽と関わることになったキッカケは何だったのでしょう。

母親がフルーティスト、父親がフラメンコギタリストという家庭で育ったので、幼少期から母親のイベントを手伝ったり、もともと音楽がすごく近くにありました。兄がバンド活動を始めた影響を受けて、中学校1年生でギターを始めて。大学に入ったタイミングでギターをやめたのですが、兄のバンドの物販を手伝ったりと、音楽に近い環境で過ごしていましたね。

――音楽を仕事にするのは自然なことだったと。

環境的な要因が大きかったと思いますし、自然と音楽が仕事になっていった感覚です。あとは、映像ディレクターをしている友達を手伝ったことを機に、自分も映像に興味を持ち始めて。MVやライブ映像を撮影している中で、TOKIOくんと出会ったことも一因かな。

――これまで携わってきた音楽活動とライブハウスでは違う部分もあるかと思いますが、ライブハウスで働こうと思った理由は何だったんですか?

もともとライブハウスで働こうと思っていたわけではなくて。最初はTOKIO TOKYOのイベントにカメラマンとして携わり始めて、段々とスタッフとして働くようになっていったんですね。当時はライブハウスで働くことで、自分のやりたい映像の仕事にも繋がるんじゃないかと考えていました。

――最初はライブハウスのイベント制作をやるとは思っていなかった中で、実際にTOKIO TOKYOを選んでいかがですか。

TOKIO TOKYOは良くも悪くも伝統がないので、自分たちで作っていく感覚があるんです。アーティストや会場の借主とのやりとりもゼロベースでやっていますし、イベント制作業務もどんどんDX化を進めていこうとする環境で働けているのは良いなと。

必要な部分に力を割くために。TOKIO TOKYOが進める自動化

――ライブハウスのイベント制作業務では実際にどのようなことをしているのでしょうか?

「ハコ貸し」と呼ばれる、会場のレンタルに伴うやり取りを担当しています。僕らの仕事で一番大切なのは、事故無くスムーズにイベント終了まで進行していくことで。いただいたお問い合わせの対応やすでに利用が確定している方との相談、会場の案内などしていますね。あとは、TOKIO TOKYOが独自で行っている施策を行うこともあるので、特定の業務のみに尽力しているわけではないかな。

**――**独自で行っている施策ではどのような部分を担当されているのですか。

TOKIO TOKYOでは将来的にイベント制作業務を自動化したいと思っていて。シンプルなやり取りをシステム化することで、本当に人のアイディアが必要な部分に多くのリソースを割くことができると考えているんです。自動化を実現するために、会場の空き状況がリアルタイムで管理できるシステムやTOKIO TOKYOの公式LINEなど裏側のシステム作りに取り組んでいますね。あとは、VIVES PAYという投げ銭システムの運営を行っています。

――お話いただいた通りTOKIO TOKYOでは独自の取り組みも行っていますが、高木さんが印象に残っている事例を教えてください。

前提として、音楽を愛している人と一緒に仕事ができることは幸せだなと。その上で、普段から親交がある人や聴いている音楽が似ている人だと相手の方もカジュアルに相談してくれると感じていて。関係性を深めれば深めるほどやれることも広がっていくと思いますし、伴走する時間が長くなれば当日のやりきった感覚も大きいですね。

――利用者の方と長い時間並走することは意識されている?

そうですね。多くの利用者さんとやり取りを進めるのが僕らの仕事なので1人の方に専念することは難しいですが、バランスを大切にしています。その中でも、オンラインでのミーティングや会場の内見は積極的に提案していて。初めから面識がある方でなくとも何度かミーティングを重ねてイベントを開催できた時は、一緒にイベントを作り上げることができた達成感もありましたし、お客さんにも満足していただけたと思っています。目指すべきは人を介さずとも解決できるやり取りを減らすことなので。

「ストレスをゼロにする」TOKIO TOKYOが目指すアーティストサポート

――TOKIO TOKYOではどのようなアーティストサポートを目指しているのでしょうか?

まず前提としてTOKIO TOKYOは“インディーズアーティストの登竜門”を目標にしていて。初めてのワンマンライブをする時、真っ先に名前が挙がる会場でありたいと考えているんです。その上でどのようにアーティストに還元していくかを考えた時、会場を利用していただくことに伴うストレスをゼロにしたいと思っています。

――ストレスをゼロにするとは?

AIを使ったQ&Aのように疑問に思ったことを解決できるシステムや欲しい情報をすぐに手に取れる場所に用意することで、不便さを無くすことですね。世の中のサービスを見た時、ボタンを押せば商品が届いたり、知りたい情報をゲットできると思うんです。ライブハウスにはアナログだからこその感動や魅力があることは間違いないんですが、利用する上で便利になった方が良い部分はアップデートしていかなくてはならないかな。

――現在、どのようなポイントを更新したいと考えているのでしょう。

将来的にはアーティストに提出いただく機材のセット図やセットリストもアプリ化できそうだなと思っていて。アプリで自分の曲を登録して照明や音響に提出できれば楽だと思いますし、毎回リストを記入する手間も減らせたら理想的だと考えています。現場にいるから分かる手間を見つけて、改善していきたいなと。

――“インディーズアーティストの登竜門”というお話も出ましたが、TOKIO TOKYOでは鋭児やego apartment、紫 今などのワンマンライブを開催されています。ワンマンライブ特有のサポートとして実施していることを教えてください。

アーティストに「ワンマン開催までのチェックリスト」を共有しており、各工程において必要な公演概要やタイムテーブルの雛形などを共有しています。肌感としても多くのアーティストが利用してくれていますし、一つの指針になっていると思います。初めてのワンマンライブだと分からないことも多いと思うので、先ほども話したようにミーティングを重ねながら不安点を解消していけたらなと。プロモーション面での協力としては楽曲を紹介する「TOKIO TOKYO Pickup」やイベント開催に伴うインタビューなどを実施していますよ。

――コミュニケーションを取りながらイベント開催まで伴走する方針は変わらずに、ワンマンライブではプラスアルファでサポートしていると。ここまでTOKIO TOKYOとしての目標をお伺いしてきましたが、高木さんの理想像を聞かせてください。

アーティストや会場を利用してくれる方に快適に使っていただきたいというのは大前提としてありつつ、TOKIO TOKYOで一緒に働いている人が気持ちよく働けるようにしたいというのもモチベーションの一つというか。有難いことに多くの方に使っていただけているからこそ、スタッフが効率的に業務に取り組めるようにすることで、TOKIO TOKYOの雰囲気をさらに良くしていくことにも繋がっているかなって。なので、対お客さんのシステムもTOKIO TOKYO内のシステムも整えながら、良い会場にしていきたいです。

――最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

TOKIO TOKYOで働いているスタッフは日々新しいことを始めていますし、施策を沢山やっているので、ぜひ足を運んでいただいてライブを観てください! アーティストの方は、TOKIO TOKYOを出演場所として検討していただけると嬉しいです!

取材・文=横堀つばさ