約5年前、<刹那に光った簡単なあなたで 評価しないで>と綴った「氷菓」が世に放たれた。同作で熱視線を浴びるようになっていったanewhiteは、佐藤佑樹(Gt.Vo)が「どんな出来事があっても未来でプラスに変えていけると信じてやってこれた5年間」と振り返ったように、着実に前へ進み続けてきた。

12月のワンマンライブでギターの河田一真がバンドを脱退し、始まりの歌「氷菓」のリリースを片手に新たなフィールドへと漕ぎだした彼ら。今回TOKIO TOKYO Knowledge Shareでは、新生anewhiteが本格始動する1月22日(水)『会いたいと絶対』に先駆けて、まさに変化の時にあるanewhiteの3人にインタビューを実施。

4人のanewhiteから3人のanewhiteへ。5年間で蓄えたパワーを自由の翼に変えて、彼らは一層豊かな音楽を鳴らす。

「楽しい記憶だけが残っていた」 4人で駆け抜けたanewhiteの5年間

――2024年12月6日に開催されたワンマンライブ『彼は誰時のカンタータ』を持って、ギターの河田さん(河田一真)がanewhiteを離れることになりました。1つの区切りとなる同ライブに、お三方はどういった思いで臨まれたのでしょう。

**鈴木優真(Dr):**一真の脱退が決まったのが9月ごろだったんですが、ツアー(※『音楽隊はやがて』)を控えていたこともあり、率直なところ、どういうモチベーションでツアーに挑んだら良いのか分からなくって。モヤモヤした気持ちを抱えながらも東名阪を巡っていくうちに、自分の中で気持ちに整理がついたんです。だから、12月のワンマンではお客さんに対して4人の最後の姿を惜しむことなく見せたいと思っていました。

**佐藤佑樹(Gt.Vo):**自分は東名阪ツアーに関しては、長い期間をかけて準備をしていたこともあって、上手く気持ちを作れたんですよね。むしろツアー後の方が、3人のanewhiteのことを考える必要がある一方で、最後の日に向けても整えていかなければいけなかったから、モチベーションの保ち方が難しかった。節目となるワンマンを終えたことで、お互いに新しい方向に進んでいけるようになったかなと。

**日原大吾(Ba):**僕も2人と同じ思いでしたね。12月のワンマンは、お客さんのためでも一真を見送るためでもあったから、3人でどういう気持ちで挑むべきかも話し合ったし。やっぱり最初はまだまだ一緒にやっていきたい気持ちもありましたけど、お互いが目指したいものを目指していくべきだと思って、気持ちを切り替えていきました。

――『彼は誰時のカンタータ』を終え、3人体制でのanewhiteがスタートします。改めて4人で活動してきた5年間を振り返って、どのような日々だったと感じていらっしゃいますか。

**佐藤:**5周年を記念した『祝命』(※2024年4月6日@SHIBUYA PLEASURE PLEASURE)をやらせてもらった時にこの5年間を振り返ったんですけど、大変だったことが意外と思いつかなかったんですよね。楽しい記憶だけが残っていた。それが自分にとって良い5年間だったという証なのかなと。何があっても良いところに収まる気がしていたし、どんな出来事があっても未来でプラスに変えていけると信じてやってこれた5年間だったと思います。

**日原:**バンドは自分がやりたくてやっていることじゃないですか。だから、純粋に好きなことを追求できた5年間だったと思いますし、ただただ楽しかったに尽きるかな。

**鈴木:**どうしたら4人で音楽を続けられるかを考え続けた5年間だったと感じています。俺は性格的にたらればや後悔が残ってしまうタイプだから、「あの場面でこんなことを言えていたら良かった」「もっと話し合う時間があったらよかった」と思うこともあって。楽しいという感覚だけではなかったかもしれないですね。

現体制ラストを飾った4人の始まりの歌「氷菓」

――12月25日に「氷菓」がリリースされました。「氷菓」はanewhiteの4人で初めて作った1曲ですが、このタイミングでリリースすることを決めた背景には4人での活動が終了することがあったのでしょうか。

**佐藤:**おっしゃっていただいたことが1番の理由ですね。もともと、再録はしたかったので、4人での活動が終わるこの機会しかないかなと。あとは、一真の脱退が決まった時にリリースすることになっていた最後の楽曲が「ウィークエンドシトロン」だったんですよ。それで終わるよりも、最後にもう1回レコーディングを一緒にやりたいなって。そこで4人で最初に作ったこの曲を、現体制ラストにやれたら良いんじゃないかと思ったんです。

――お話いただいた通り、「氷菓」はこのタイミングだからこそリリースできた楽曲だと感じているのですが、改めてこの曲を振りかえってみて、どのような1曲だと感じていらっしゃいますか。

**佐藤:**今だと作れない曲だと思っています。

――それは若さがあるから、みたいな意味で?

**佐藤:**というよりも、最近の作り方では生まれない曲といったニュアンスかな。もちろん、お互いの良いと思うものをぶつけ合って制作に臨んでいることに変わりはないんですけど、年齢を重ねるにつれて相手の気持ちを考えたり、自分の意見に折り合いをつけることもあるじゃないですか。でも「氷菓」はそういう譲り合いもなく、なおかつ、それぞれのやりたいことが上手く混ざりあった1曲なんですよね。

――ある種理論的ではなかったからこそ、生み出せた1曲だったと。この曲を改めてレコーディングするにあたって、5年前の自分と対峙する感覚もあったと思うんです。再録を通じて、昔と変わったなと感じたのでしょうか。それとも、変わっていないなと思いましたか?

**佐藤:**変わったなと思いましたね。特にテクニック面は、5年分の成長や気持ちが乗っているなと。一方で、歌詞に関しては5年前から完成していたとも感じて。24歳の自分を唸らせるというか、今でも共感できる歌詞が書けていたんだと安心しました。

**鈴木:**今回の「氷菓」は、おそらくドラムのフレーズが1番変わったんですよね。というのも、「氷菓」を作った当時は、頭の中にあったフレーズを次々に打ち込んでいったんですよ。だから、やりたいことが先行していて、技術が追い付いていない部分もあった。でも、今は自分のできるプレーの中からベストなものを選択しているので、冷静な大人になれたなと思います。

**日原:**今だったら採用しないフレーズも採用していて、思いついた全てを入れ込んでいたんだと感じました。盛りだくさんだからこそ、5年前の自分から挑戦状をたたきつけられた感覚もあって。自信をもって、今の演奏を詰め込めたかなと。

「より血の通った人間らしい音楽もやっていきたい」 新生anewhiteが進む道

――ここまでお話いただいた「氷菓」のリリースを経て、3人のanewhiteの活動が本格化していきます。現在、楽曲制作やリハーサルに注力されているところかと思うのですが、実際に3人での活動をスタートさせてみて、どういった思いを抱いていますか。

**鈴木:**3人体制になることが決まってからは、3人でどんなことができるのかが楽しみだったんです。でも、実際に練習してみると、ここまで1人1人の責任が大きくなるのかと緊張感も生まれてきて。細かな音までこだわっていかなければならないと考えていますし、気も引き締まりました。

**日原:**新しい形に対するワクワクも不安ももちろんあるんですけど、ここまでの5年間で培ってきたものがあるので上手くやっていける気もしていて。5年前に3人になっていたら、きっとこうは思えなかった。この5年間があったからこそ、ポジティブに考えられていますね。

**佐藤:**2人と同じくらい楽しみと緊張感もありますが、楽曲に関して言えば、生み出すスピードが早くなったんですよ。これまでは自分と一真を主軸に曲を作っていたから、頭が2つある分、イメージを擦り合わせるのに時間が必要だった。でも、その過程がなくなったことで、色々なことをすぐに試せるようになったし、取捨選択がしやすくなったんです。そうやって、自分のやりたいものを自由に試せるようになったのは良かったなって。

――佐藤さんのソングライティングの変化は、お二人も感じていらっしゃいますか?

**鈴木:**初期の楽曲に雰囲気が似ているというか、曲にふくよかさを感じるようになりました。活動を続けてきた中で、色んなことを考えた末に楽曲を持ってきているのも感じ取っていたんです。でも、悩む部分が減ったから、純粋に良いと思った曲を提示してもらっている気がする。だからこそ、僕らも意見がしやすくなりました。

――初期の頃のムードに近づいたというお話もありましたが、これからのanewhiteはどんなバンドになっていきそうですか。

**佐藤:**固さで例えると、これまでがカチカチで、これからはグニャグニャみたいな。これまでは理論的で整っていた部分が大きかったと思うんですけど、これからはこの5年間を踏まえた上で、柔軟性を持ってやれるんじゃないかなと。

――今佐藤さんにおっしゃっていただいたことは、先ほど鈴木さんがおっしゃったふくよかさにも近いんですかね。

**佐藤:**確かに!

**鈴木:**そうですね。人間としての余白が増えたと感じているので、これまでの作品感の強い楽曲だけではなく、より血の通った人間らしい音楽もやっていきたいです。

新生anewhite本格始動。UMEILOと共演する1月22日(水)『会いたいと絶対』

――2025年1月22日(水)に『会いたいと絶対』が開催されます。対バンのUMEILOとは6月にanewhiteのツーマン企画『An(e)them』で共演を果たしていますが、どういったキッカケで企画にUMEILOを呼ぶことを決めたんですか?

**佐藤:**もともとバンドのことも知っていたし、純粋に自分たちが好きだったんですよ。実は『An(e)them』自体、UMEILOがいたからスタートしたと言っても過言じゃなくて。UMEILOとは活動が被っていた期間も長くなかったので、直接的に深い交流があったわけではなかった。そういった中でUMEILOが活動を再開して、「対バンしたいね」って話になったんです。その上で、せっかく共演するのであればUMEILOの地元が良かったから北海道を選んだし、こうやって自分たち主体の企画を定期的にやりたいと考えて『An(e)them』もスタートしました。

――皆さんにとってUMEILOとのツーマンは待望だったんですね。『An(e)them』を終え、UMEILOに対してどういった印象を抱いていらっしゃいますか。

**佐藤:**全員良い奴だなって(笑)。ツーマン以降、純輔くん(伊藤純輔/UMEILO Vo,Gt)と遊ぶようになって「東京でツーマンをやりたいね」と話していたんですよ。なので、今回それが実現できて嬉しいです。

**鈴木:**UMEILOのアーティスト写真って凄くシュッとしているじゃないですか。だから、怖そうな印象だったんですけど、実際に話したら自分たちに近しい部分がたくさんあって。もともと憧れていたバンドでもありましたし、凄く親近感が湧きましたね。

**日原:**間違いない。初めて喋った瞬間から「仲良くなれるな」って思いました。

――改めて、1月22日(水)『会いたいと絶対』に向けた意気込みをお願いします。

**鈴木:**この企画は3人のanewhiteを観ていただくのに、ぴったりの企画だなと感じていて。こういったイベントを用意していただいた恩返しができるよう、3人のanewhiteの始まりにふさわしいライブをしたいです。

**日原:**3人で良いライブができることを観てもらえると思いますし、気合い十分です!

**佐藤:**2人が言ってくれたように、anewhiteが良いと思う音楽を3人でしっかりと届けるライブにします。

取材・文=横堀つばさ

1月22日(水)開催『会いたいと絶対』

出演:anewhite / UMEILO

OPEN 18:30 / START 19:00

ADV / DOOR ¥3,000 / ¥3,500 + 1D

TICKET:THANK YOU SOLD OUT!!!

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